
最近、子育て世代の間で「プリスクール」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
「英語を使う保育園?」「インターナショナルスクールとは違うの?」など、興味はあるけれどイマイチよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなプリスクールについて、基本的な特徴から通わせるメリット・デメリット、選び方のポイントまで詳しくご紹介します。子どもの将来を考えたときの選択肢の一つとして、参考になれば嬉しいです。
目次
プリスクールとは?
「プリスクール」とは、英語で“preschool”と書き、もともとは「小学校に入る前の幼児教育機関」という意味があります。アメリカなど英語圏では一般的な教育ステージですが、日本では主に「英語を使って生活する保育施設」「英語教育に特化した幼児スクール」として認知されているケースが多いです。
対象年齢は0歳〜6歳と幅広く、保育園や幼稚園と同じように日中を過ごすタイプもあれば、週1回数時間のレッスンのみのプログラムなども存在します。
プリスクールの主な特徴
プリスクールの最大の特徴は、日常的に英語を使う環境に子どもが身を置くことができる点です。外国人講師やバイリンガルスタッフと英語でのコミュニケーションを楽しみながら、遊び・学び・生活を自然に英語で経験していきます。
また、少人数制を採用しているスクールも多く、子どもの個性や発達段階に合わせたきめ細かい対応がなされるのも魅力の一つ。カリキュラムには、英語だけでなくアートや音楽、運動、サイエンスなどの要素を取り入れた総合的なプログラムが組まれていることもあります。
中には、すでに保育園や幼稚園に通っている子どもが、午後や週末だけプリスクールに通う「併用スタイル」を取っているご家庭もあります。
プリスクールに通わせるメリット
では、プリスクールに通うことで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
1. 英語を「学ぶ」ではなく「使う」経験ができる
幼児期は語学の吸収力が非常に高い時期。プリスクールでは、遊びや会話、活動の中で英語が自然に身についていきます。机に向かって勉強するよりも、「生きた英語」に触れることで、英語に対する苦手意識が芽生えにくくなるのが特長です。
2. 多様な文化や価値観にふれられる
さまざまな国籍の先生やイベント(ハロウィン、クリスマスなど)を通じて、国際的な視野や文化理解が深まる経験が得られます。多様性を自然と受け入れられるようになるという点で、将来の人間関係にも良い影響を与えます。
3. 自己表現力・プレゼンテーション力が育つ
多くのプリスクールでは、人前での発表やスピーチの場を設けています。英語で話す経験はもちろん、自分の気持ちや考えを伝える練習を幼少期からできるのは、大きなアドバンテージになります。
プリスクールのデメリットや注意点
一方で、プリスクールには注意しておきたいポイントもあります。
1. 費用が高額になりやすい
プリスクールは認可外施設であることが多く、保育園や幼稚園に比べて月謝や入会金が高めです。長期間通うとなると、家計への負担も大きくなります。自治体によっては一部助成が受けられる場合もありますが、補助制度の有無は事前に確認が必要です。
2. 英語の定着には継続が必要
幼少期に英語を身につけても、小学校以降に英語環境から離れてしまうと、せっかく覚えた言葉を忘れてしまう可能性もあります。英語力を維持・発展させるには、小学生以降の学習環境や家庭でのフォローも重要になります。
3. 日本語の発達に影響する可能性も
英語環境にどっぷり浸かることで、日本語の語彙力や文法理解がやや遅れるケースもあります。家庭では日本語でたくさん話しかけたり、絵本を読んだりするなど、日本語環境もしっかり保つことが求められます。
どんな家庭に向いている?
プリスクールは、必ずしもすべての家庭や子どもに「必要」なものではありませんが、次のようなご家庭には特におすすめです。
幼少期から自然な形で英語に親しませたい
将来的にインターナショナルスクールや海外留学を視野に入れている
個性を伸ばせる少人数制の教育環境を求めている
英語に対してポジティブな印象を持ってほしい
反対に、「英語は小学校からでいい」「まずは日本語の力をつけさせたい」という場合は、無理に通わせる必要はありません。
プリスクールを選ぶときのポイント
実際にプリスクールを検討する際には、以下の点をチェックしましょう。
通いやすい場所にあるか(送迎の負担は?)
保育士や講師の質はどうか(保育経験、英語力)
教育方針が家庭の考えと合っているか
子どもが安心して過ごせる雰囲気か
見学や体験入園を通じて、子どもの反応を確認できるか
実際に通うのは子ども自身。大人の期待だけで判断するのではなく、子どもの性格や興味をよく見ながら慎重に決めることが大切です。
まとめ
プリスクールは、「英語を学ぶ」ではなく「英語で生活する」ことを通じて、子どもの可能性を広げる場です。多文化理解や自己表現力の土台を育む環境として注目されています。
ただし、費用面や言語バランス、教育方針など、家庭ごとの事情や価値観に合っているかどうかの見極めはとても重要です。迷っている場合は、まず体験教室などに参加して、子どもの反応を見てみるとよいでしょう。
子どもが楽しみながら成長できる場所を見つけられるよう、選択肢のひとつとして「プリスクール」を知っておくことは、きっと今後の育児のヒントになるはずです。