気を付けたい高齢者の骨折 50歳から対策しよう!

高齢者になると思いがけないタイミングで骨折してしまうことがあります。転倒だけでなく、物を取ろうとして手を伸ばしただけ、勢いよく椅子に座っただけでも骨折の危険性は潜んでいます。

なぜ高齢者は骨折しやすいのでしょうか?その理由は筋力の低下だけではありません。

年齢とともに骨はもろくなる

レントゲン

高齢者が骨折しやすい理由

骨密度とは、骨を形成するカルシウムなどのミネラル成分がどの程度あるかを測定したものです。骨密度は骨の強さを判断する代表的な指標となります。

女性の場合20歳ごろに骨密度のピークを迎え最大となり、40歳ごろまでは一定を保っていますが50歳前後から低下していきます。この骨密度が低下し骨折しやすい病態を骨粗しょう症といいます。なんと80代女性の約5割が骨粗しょう症ともいわれています。

高齢者が骨折しやすい部位

折れた木

高齢者の骨折の中でも特に多いのが以下の部位とされています。

  • 脚の付け根の部分の骨折
  • 胸から腰にかけての背骨の骨折
  • 手首の骨折

大腿骨近位部骨折(脚の付け根の部分の骨折

バナナを踏んで滑る人の足元

主に転倒して尻もちをついたときに起こる骨折です。足が動かせないくらいの股関節付近の強い痛みがあり、ほとんどが緊急搬送での対応となります。中には普通に歩けたり、認知症で痛みが上手く説明できなかったりと、骨折に気づかずに数日たってから急に歩けなくなる場合もあります。

椎体骨折(胸から腰にかけての背骨の骨折)

骨の強度が低下することで背骨がつぶれて起こる骨折です。こちらも転倒や交通事故などの激しい外傷から起こることもあります。下半身のしびれ、筋力の低下・麻痺を伴う場合もあります。

橈骨遠位端骨折(手首の骨折)

転倒して手をついたときに起こる骨折です。閉経後の女性に多く見られます。手首に強い痛みがあり、腫れます。手首が変形する場合もあります。折れた骨や腫れで神経が圧迫され、指がしびれる症状が出ることもあります。

骨折を防ぐには

ピンクの背景に骨型のおやつが散らばっている

高齢者が骨折しやすい部位を見てみると、骨粗しょう症はもちろん、転倒が原因となることが多いことが分かりました。つまり、高齢者の骨折を予防するには転倒と骨粗しょう症の予防と治療が大切になります。ここでは骨折を予防する方法をご紹介します。

日常的に歩行運動をする

歩くことは転倒予防においてとても重要です。転倒する原因の一つは筋力の低下です。身体を動かす機会が減ると、運動機能やバランス感覚が衰えます。厚生労働省が推進する「健康日本21」運動では、高齢者の日常生活における1日当たりの歩数目標を男性で6,700歩、女性で5,900歩としています。歩く習慣がない方は必ずしもこの歩数を達成しなくても良いので少しづつ日常的に運動を生活に取り入れましょう。

▶参考(厚生労働省)

栄養バランスのとれた食事

骨密度を低下させないためには、骨を作る元となる栄養をしっかりと摂れる食事を心がけましょう。カルシウムはもちろん、ビタミンD、ビタミンKをカルシウムと一緒に摂るとカルシウム吸収率が良くなります。カルシウムを多く含む食品をご紹介します。

  • 乳製品(チーズ・牛乳・ヨーグルト)
  • 大豆製品(豆腐・厚揚げ・凍り豆腐)
  • 小魚・海藻類(ひじき・干しエビ・まいわし)
  • 野菜(小松菜・青梗菜・切り干し大根)

ビタミンDが含まれる食品は

  • サケ
  • サンマ
  • メカジキ
  • カレイ
  • きくらげ
  • しいたけ

などが代表的です。

ビタミンKは、

  • 納豆
  • ほうれん草
  • 小松菜
  • ニラ
  • キャベツ
  • サニーレタス
  • ブロッコリー

などに多く含まれています。

スナック菓子やインスタント食品などのリンを含むもの、漬物や干物など食塩を多く含むものはカルシウムの吸収を妨げるので控えましょう。1日3食、栄養とカロリーバランスの良い食事をとることが骨粗しょう症を予防する基本です。

日光を浴びる

日の出に向かって手を広げる人

カルシウムの吸収を促すビタミンDは日光に当たることで体内に生成されます。ビタミンDは血液中のカルシウム濃度を一定に保ち骨格を健康に維持する働きをします。冬は30分~1時間程度散歩に出たり、夏は外の日陰で30分程度過ごすだけで十分です。夏に長時間直射日光を浴びると皮膚にダメージを受けますので気を付けましょう。

骨折の原因対策はお早めに

ミルクと卵とチーズとナッツと食パン

高齢者の骨折は骨密度の低下と転倒が大きな原因だということが分かりました。骨折を防ぐためには「運動・食事・日光浴」がカギとなります。高齢者の方やご家族は転倒しないような環境づくりをすることが予防にもつながります。運動や外出の習慣がない人も朝起きたら窓を開けてみたり、家の周りを散歩してみたり些細なことから骨折を予防しましょう。

その他にも高齢者が気を付けたいことをコラムに書いています。
▶コラム一覧