
子どものことをしていると、「どうして私ばかり育児をしているんだろう」と夫にイライラすることがあります。
夫も仕事をしている。疲れて帰ってくることも分かっている。それでも、子どもの食事や着替え、保育園の準備、寝かしつけなどを毎日自分が担当していると、少しずつ負担が積み重なっていきます。
「手伝って」と言わないと何もしない。
休日になっても夫は寝ている。
子どもと遊んではくれるけれど、食事や着替えなどは妻に任せたまま。
そんな状態が続けば、夫の育児にイライラしてしまうのも無理はありません。
ここでは、育児を手伝ってくれない夫にイライラするとき、その背景にどのような負担があるのか、そして夫婦で育児を分担するためにできることを考えていきます。
「夫が育児をしない」ことにイライラするのはなぜ?
夫に対して「もっと育児をしてほしい」と思っていても、実際には夫がまったく何もしていないとは限りません。
子どもと遊んだり、お風呂に入れたり、公園に連れて行ったりしていることもあるでしょう。
それでも妻がイライラするのは、育児には目に見える作業だけではなく、「子どものことを常に考える」という負担もあるからです。
たとえば、
- 明日の保育園の持ち物を確認する
- 子どもの着替えを準備する
- 足りないオムツを買う
- 保育園からの連絡を確認する
- 子どもの体調を気にする
- 行事の日程を覚えておく
- 子どもの食事を考える
- 予防接種や健診の予定を把握する
といったことです。
一つひとつは小さなことでも、毎日のように続けば負担になります。
夫が「何をすればいい?」と聞いてくるたびに、「それを考えるところから私がやるの?」と感じることもあるでしょう。
「夫に育児を手伝ってほしい」というより、実際には育児を自分一人の責任にしたくないという気持ちがあるのかもしれません。
「言わないとしない」夫に疲れてしまう

夫の育児についてよくある不満の一つが、「言わないとしない」というものです。
「子どもをお風呂に入れて」
「歯磨きお願い」
「明日の準備して」
「そろそろ寝かせて」
と、妻がその都度指示を出している状態です。
夫からすれば、言われたことはやっているので、「自分も育児をしている」と思っているかもしれません。
しかし、妻側からすると、その指示を出すこと自体が負担です。
子どもの様子を見ながら、「次は何をしなければいけないか」を考えているのは妻だからです。
夫が毎回「何をすればいい?」と聞いてくると、そのたびに妻が考えて指示を出さなければなりません。
「子どもの着替えをお願い」と言われるまで動かないのではなく、子どもの様子を見て、自分で必要なことを判断して動いてほしい。そう思うのは自然なことです。
実際の作業を一部任せても、妻が育児全体を考えて指示を出す立場のままだと、負担が減ったとは感じにくいでしょう。
妻が求めているのは、単に作業を代わってもらうことではなく、子どものことを夫婦それぞれが考え、必要なことを自分から担える状態なのかもしれません。
育児について調べない・覚えないことが不満になることも
子どもが生まれたばかりの頃は、母親も父親も分からないことがたくさんあります。
最初から何でもできるわけではありません。
ただ、分からないことを自分で調べるか、誰かに任せるかによって、負担の偏りは変わってきます。
妻が育児書を読んだり、インターネットで調べたり、保育園の情報を確認したりしている一方で、夫が何も調べない状態だと、「なぜ私だけが覚えなければいけないのだろう」と感じることがあります。
「知らない」のではなく、「知らなくても誰かがやってくれる」という状態になっていると、妻側の負担は減りません。
育児は、実際に子どもの世話をすることだけではありません。
子どもについて知り、考え、判断することも育児の一部です。
「楽しいところだけ」の育児になっていない?
夫が子どもと遊んでいる姿を見て、「育児をしてくれている」と感じることもあります。
一方で、妻が食事を作っている間に遊ぶだけ、休日に公園へ連れて行くだけ、といった状態が続くと、「楽しいところだけやっている」と感じることもあるでしょう。
育児には、楽しい時間だけではなく、
- 食事の準備
- 着替え
- トイレやオムツ
- 歯磨き
- 寝かしつけ
- 保育園の準備
- 片付け
- 子どもの生活リズムの管理
など、毎日繰り返すことがたくさんあります。
子どもと遊ぶことは楽しくても、食事の準備や後片付け、明日の持ち物の確認、寝る時間を気にするといったことは、目立ちにくい仕事です。
夫が子どもと遊んでくれている間に、妻がこうしたことを一人で担っていると、「夫はいいところだけやっている」と感じてしまうのも無理はありません。
また、夫が子どもと遊んだことを「今日はこんなに育児をした」と考えている一方で、妻はその裏側で何時間も家事や育児をしていることもあります。
どちらがどれだけ育児をしているかという話になると、夫婦それぞれの認識が食い違ってしまうこともあります。
大切なのは、子どもと過ごす時間の長さだけではなく、毎日の生活を回すために必要なことを誰が担っているのかを考えることです。
夫の育児が雑で「任せられない」と感じるとき
「夫に任せたいけれど、任せると結局自分がやり直すことになる」そんな悩みもあります。
子どもの着替えが季節に合っていない、持ち物が足りない、寝る時間が遅くなる、食事が適当になるなど、妻からすると気になることが出てくることもあります。
そこで妻がフォローすると、「やっぱり私がやったほうが早い」となり、夫に任せなくなっていきます。
すると夫も育児をする機会が減り、さらに妻が育児を抱えることになります。
この状態になると、「夫に育児を任せられない」という気持ちも強くなります。
もちろん、安全や健康に関わることについては譲れない部分があります。
一方で、単に「自分とはやり方が違う」というだけなら、すべてを直す必要はない場合もあります。
夫のやり方が少し違っても、子どもが困らないのであれば任せてみる。
その積み重ねが、夫自身が育児を考えるきっかけになることもあります。
「夫は仕事で疲れているから」と我慢していない?

夫が仕事で忙しい家庭では、「仕事が大変なのだから仕方ない」と考えてしまうことがあります。
帰宅が遅い、残業が多い、出張が多い、長時間労働をしている。
そんな夫を見て、「育児までお願いするのはかわいそう」と思うこともあるでしょう。
夫が仕事で疲れていることと、妻が育児で疲れていることは、どちらが大変かを比べるものではありません。
夫が仕事をしているからといって、妻の疲れがなくなるわけでもありません。
特に、子どもが小さい時期は、育児をしている側もまとまった休憩を取りにくいものです。
「夫も疲れているから」と我慢を続けていると、気づかないうちに自分の負担が大きくなってしまいます。
夫が休みの日でも妻だけ休めない
夫が休みの日になると、妻のイライラが強くなることもあります。
平日は仕事があるから仕方がないと思えても、休日になっても夫が寝ていたり、スマートフォンを見ていたり、ゲームをしていたりすると、「私は休みがない」と感じるからです。
夫が昼寝をしている間も、妻は子どもの食事を用意している。
夫が趣味の時間を過ごしている間も、妻は子どもの相手をしている。
夫が「ちょっと休んでくる」と言えるのに、妻にはその時間がない。
こうした状態が続くと、夫への不満が大きくなるのは自然なことです。
休日に夫が育児を担当する時間を決めて、その間は妻が一人で過ごせるようにするだけでも、負担感が変わることがあります。
夫に「もっと育児して」と伝えるときは具体的に
夫に育児をしてほしいと思ったとき、「もっと協力して」と伝えても、夫には何をすればいいのか分からないことがあります。
そこで、できるだけ具体的に伝える方法があります。
たとえば、
「土曜日の午前中は子どもをお願いしたい」
「平日は寝かしつけを担当してほしい」
「保育園の準備は夫の担当にしたい」
「日曜日の昼食は作ってほしい」
などです。
「育児をしてほしい」という大きな言葉を、実際の行動に分けてみます。
また、「私は今これが負担になっている」と伝えることも大切です。
「何もしない」と責めるより、
「毎日、次に何をするか考えることに疲れている」
「休日も子どもから離れる時間がなくて疲れている」
と伝えたほうが、問題が具体的になります。
「手伝う」ではなく、夫婦で育児を担う
育児について話すとき、「夫に手伝ってもらう」という言葉を使うことがあります。
もちろん、夫が妻を助けること自体は悪いことではありません。
ただ、夫婦の子どもを育てているのであれば、育児はどちらか一方の仕事をもう一方が手伝うものだけではありません。
夫婦それぞれが、自分の仕事として育児を担うという考え方もできます。
そのためには、家事や育児を一度書き出してみるのも一つの方法です。
「育児」という一言でまとめるのではなく、
- 朝の着替え
- 朝食
- 保育園への送り
- 園からの連絡確認
- お迎え
- 帰宅後の食事
- お風呂
- 歯磨き
- 寝かしつけ
- 保育園の準備
- 子どもの服の管理
など、細かく分けてみます。
書き出してみると、「思っていた以上に自分が担当していた」と気づくことがあります。
夫が育児休業を取れば、妻の負担は減る?
夫の育児休業について考えている家庭もあるでしょう。
夫が育児休業を取得することで、子どもと過ごす時間を増やしたり、妻の負担を軽くしたりできる可能性があります。
ただし、育児休業を「休み」と考えてしまうと、夫婦の間で認識がずれることがあります。
育児休業中も、もちろん育児を担うことが前提です。
「夫が育児休業を取ったのに、妻が子どものことを全部やっている」という状態では、妻の負担はあまり変わりません。
育児休業を取得するのであれば、取得前に「何を担当するのか」を話しておくとよいでしょう。
たとえば、
「午前中は夫が子どもの世話をする」
「食事の準備と片付けを担当する」
「上の子の送迎を担当する」
など、具体的に決めておく方法があります。
なお、育児休業の取得時期や期間、育児休業給付、社会保険料の免除などの制度については、時期によって内容が変わることがあります。実際に取得を検討するときは、勤務先や公的機関の最新情報を確認しましょう。
夫へのイライラが強くなり、育児そのものがつらくなったら

夫が育児をしないことへの不満が積み重なると、夫へのイライラだけではなく、育児そのものがつらく感じられることがあります。
「子どもと一緒にいるのがつらい」
「何をしても楽しくない」
「ずっとイライラしている」
「眠れない」
「涙が出る」
「子どもや夫に強く当たってしまう」
このような状態が続いているなら、「もう少し頑張れば何とかなる」と無理を重ねないことも大切です。
育児による疲れやストレスが重なると、心身にさまざまな変化が出ることがあります。いわゆる「育児ノイローゼ」と呼ばれる状態も、その一つです。
夫に理解してもらうことだけを目標にせず、自治体の子育て相談窓口や地域の支援サービス、医療機関などに相談する方法もあります。
夫婦だけで何とかしようとせず、周囲の手を借りることで、少しずつ負担を減らせる場合もあります。
つらさが続いているときは、「自分がもっと頑張らなければ」と考えすぎないことも大切です。
2人目が生まれてから夫へのイライラが増えた場合
子どもが増えると、それまで夫婦で何とか回せていたことも、難しくなる場合があります。
子どもが一人のときは、夫婦のどちらかが子どもの相手をしている間に、もう一人が家事をするなど、役割を分けながら対応できます。
しかし、子どもが二人になると、それぞれに別の対応が必要になる場面が増えます。
一人が食事をしている間にもう一人が着替えを嫌がったり、片方をお風呂に入れている間にもう片方の対応が必要になったりすることもあります。
食事、着替え、お風呂、寝かしつけなど、毎日の生活の中で同時に対応しなければならないことが増えるため、一人で育児を担う時間が長くなるほど負担も大きくなります。
そのため、子どもが二人になってから、夫がどれだけ育児を担っているかを以前より強く意識するようになることもあります。
夫婦で育児のやり方が違ってもいい
夫と妻では、子どもへの接し方が違うことがあります。
食事の与え方、遊び方、叱り方、寝かしつけなど、「自分ならこうするのに」と思う場面もあるでしょう。
すべてを同じ方法にする必要はありません。
ただし、妻だけが育児の方法を決め、夫は指示されたことだけをする状態が続けば、妻の負担は減りにくくなります。
夫にも子どもの生活について考えてもらう。夫自身に判断してもらう。うまくいかなかったときには、一緒に考える。
その繰り返しで、少しずつ夫婦それぞれが育児を担う形に近づいていきます。
まとめ|「夫に手伝ってほしい」の奥には「一人で抱えたくない」という気持ちがある

育児を手伝ってくれない夫にイライラするのは、単に夫の行動が気に入らないからとは限りません。
自分ばかりが子どものことを考えている。
休む時間がない。
夫には自由な時間があるのに、自分にはない。
そんな状態が続いていることが、イライラの原因になっていることがあります。
夫に育児をしてもらうためには、「もっと協力して」と伝えるだけでなく、具体的に何を担当してほしいのかを話してみることも一つの方法です。
「言わなくてもやってほしい」と感じていることも含めて、夫婦で育児の負担を一度整理してみると、お互いの認識の違いが見えてくるかもしれません。
そして、育児がつらい、疲れが取れない、夫へのイライラが収まらないという状態が続いているなら、夫婦だけで解決しようとしなくても大丈夫です。
子育ては毎日のことだからこそ、一人で抱え続けない方法を考えることも大切です。



















