喃語はいつから?意味があるの?親が知っておきたい赤ちゃんの“おしゃべり”のこと

赤ちゃんが「あー」「うー」「ばーばー」などと声を出す姿を見て、「何を話してるのかな?」「意味があるの?」と思ったことはありませんか?その不思議なおしゃべりは「喃語(なんご)」と呼ばれるもので、実は赤ちゃんの言葉の発達においてとても大切な役割を果たしています。

今回は、「喃語はいつから出るの?」「いつまで続くの?」「どんな意味があるの?」といった、赤ちゃんを育てる親が抱きやすい疑問にお答えしながら、喃語の魅力と、親としてできる関わり方についてお話しします。

喃語ってなに?どんな意味があるの?

喃語とは、意味を持たない言葉のような発声のことで、「あー」「うー」「だーだー」「ぶーぶー」といった音が代表的です。一人で声を出しているときもあれば、大人の声や表情に反応しているときもあります。

この喃語は、ただの声遊びではありません。赤ちゃんが自分の口や舌、声帯を動かして「音を作る練習」をしている段階であり、言葉を話すための準備運動のようなものなのです。

また、喃語は「人とやりとりをする楽しさ」を学ぶ第一歩でもあります。赤ちゃんが声を出す → 親が反応する → 赤ちゃんがまた声を出す…という繰り返しが、コミュニケーションの基礎を育んでいくのです。

喃語はいつから出る?個人差はあるの?

一般的に、喃語が出始めるのは生後4〜6ヶ月頃と言われています。早い子では3ヶ月頃から喃語のような声を出すこともありますが、口の筋肉や舌の動きが発達してくるこの時期に、自然と「音遊び」が始まるのです。

最初は「あー」「うー」といった母音中心の声(この時期の発声は「クーイング」とも呼ばれます)が出て、徐々に「だー」「ばー」「まー」など、子音を含んだ喃語に移行していきます。

なお、喃語が始まる時期にはかなり個人差があります。早い・遅いで心配になることもあるかもしれませんが、あくまで目安。他の子と比べて一喜一憂する必要はありません。

喃語はいつまで続くの?その後の言葉の流れ

赤ちゃんとゴールデンレトリーバーが家の門の前の地べたに座っている

喃語は、生後6〜10ヶ月頃にピークを迎えます。この時期には、「ばばば」「ままま」「だだだ」といった”反復音(同じ音の繰り返し)”が増えてきます。いわゆる「ママ」「パパ」のような音が多く聞かれるようになるので、親にとってもとてもかわいらしい時期ですね。

その後、1歳前後になると「意味のある言葉(=初語)」が出始めます。例えば、「まんま(ごはん)」「ブーブー(車)」「ワンワン(犬)」など、赤ちゃん自身が意図して使っている言葉が出てくるようになります。

ただし、喃語が完全になくなるわけではなく、意味のある言葉と喃語がしばらく混在する時期が続きます。そして1歳半頃には、「ママ きた」「ワンワン いた」など、2語を組み合わせた言葉(2語文)へと移行していくのが一般的な流れです。

喃語にはどんな発達的な役割があるの?

喃語は、言語の発達だけでなく、身体・脳・社会性など、さまざまな側面での成長を支えています。

  • 発音の練習:口の動き、舌の使い方、息の使い方など、言葉を話すために必要な器官を発達させる。

  • 聴覚の発達:自分の声を聞いて音を確認したり、大人の声を真似したりすることで、音の聞き取り能力が育つ。

  • 社会性の発達:声を出すことで周囲の人と“やりとり”する経験が増え、コミュニケーションへの関心が高まる。

  • 模倣の土台づくり:大人の話し方やイントネーションを喃語で真似することが、言葉の習得の第一歩となる。

このように、喃語は赤ちゃんの「言葉のはじまり」であると同時に、「人とのつながりのはじまり」でもあるのです。

喃語を育てる!親にできる5つの関わり方

喃語は自然に出てくるものですが、親の関わりによってその“質”や“広がり”が大きく変わってきます。以下のような声かけや関わり方をぜひ試してみてください。

  1. たくさん話しかける
     赤ちゃんが声を出したときには、言葉の意味がなくても「そうなんだ〜」「楽しいね!」など、リアクションを返してあげましょう。

  2. 目を見て話す
     アイコンタクトをとることで、「やりとりしている感覚」が生まれ、社会性の発達にもつながります。

  3. 喃語をまねする
     赤ちゃんが「ばばば」と言ったら、親も「ばばば!」と返してみましょう。赤ちゃんはとても喜び、さらに声を出そうとします。

  4. 歌や絵本を取り入れる
     繰り返しのリズムや音が楽しい歌や絵本は、赤ちゃんの発声を引き出す良いきっかけになります。

  5. テレビより“人とのやりとり”を大切に
     一方的に流れる映像よりも、赤ちゃんと直接やりとりする時間が、言葉の力をぐんと育てます。

「喃語が少ないかも…」と感じたら

赤ちゃんが女性に抱っこされている

「うちの子、あまり喃語が出ない気がする…」と心配になることもあるかもしれません。個人差があるとはいえ、以下のような様子が見られる場合は、一度小児科や保健センターなどに相談してみてもよいでしょう。

  • 生後10ヶ月を過ぎてもほとんど喃語が出ない

  • 呼びかけに反応しない、周囲の音にあまり気づかない(聴覚に問題がある可能性)

  • アイコンタクトや人への関心が極端に少ない

専門家のアドバイスを受けることで、必要な支援や見守り方がわかり、親としても安心できます。

おわりに

赤ちゃんが一生懸命声を出している姿は、まさに「言葉を手に入れようとする旅の途中」。それは、小さな体と大きなエネルギーで、世界に“こんにちは”を伝えようとしている瞬間です。

喃語には意味がないように思えるかもしれません。でも、赤ちゃんにとっては大切な“伝えたい”という気持ちの表れなのです。

どうかその声に、笑顔で応えてあげてください。赤ちゃんはその反応を通して、「話すって楽しい」「伝えるって嬉しい」と感じながら、言葉の世界を一歩一歩進んでいきます。

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