冷え、熱中症に注意!高齢者の体温調整について

寒い日や雨が続いたかと思ったら真夏日になったりと5月とは思えない天気が続きますね。やっと気温が上がってきましたが、あったかインターが手放せない、まだ衣替えをしていないという方も多いのではないでしょうか。

暖かくなったのに着込んでいる高齢者の方は周りにいませんか?確かに高齢者の方は寒さを感じやすいのですが、そのままにしていると熱中症にかかってしまう可能性もあります。高齢者にとって適切な体温調節を心がけたり周りが声をかけてあげることが非常に重要になってきます。

高齢者は暑さ寒さを感じにくくなる

机の上にハンディファンがある

人の身体は37℃程度を保つように体温調節をします。暑い時には汗をかくことによって蒸気で気化熱が体から奪われ、皮膚から熱を放出して体の中に熱がたまらないように調節しています。寒い時には血管を細くして血液をあまり流さないようにすることで体内の熱を外に逃がさないようにしています。このように発汗などの体温調節機能が高齢者になると低下するため、暑さや寒さに適応することが難しくなってしまいます。

さらに高齢者は温度感受性が低下しているので暑さ寒さを感じにくくなります。そのため夏は熱中症に、冬は低体温症になりやすいです。

高齢になると肺炎やインフルエンザなどに感染しても体温が上がらないことが多く、気づかないうちに重症化し命にかかわる可能性もあります。

高齢者は熱中症になりやすい

溶け出すソフトクリーム

熱中症で緊急搬送される人の半数以上は65歳以上の高齢者といわれています。先ほど書いたように暑さを感じにくい他にも、高齢者は体の水分量が少ないため脱水症状になりやすくなっています。

どうして熱中症になるの?

体温が著しく高くなると熱中症を引き起こします。熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体内の水分の塩分バランスが崩れたり、体温調節機能が上手く働かなくなったりして、めまいやけいれん、頭痛などの症状を起こす病気のことです。以下のようなサインが見られると熱中症の危険性があります。

  • 顔がほてっている
  • だるい、ぐったりする、元気がない
  • 食欲がない
  • 尿の色が濃い
  • 手足がつる
  • めまい、立ちくらみがある
  • 頭痛がする
  • 唇や舌、皮膚が乾燥している
  • 手の甲をつまむと皮膚が戻らない
  • 手足が冷たい

熱中症にならないために

グラスに入った水

体温調節機能や筋肉量が低下している高齢者が熱中症になると重症化するリスクもあります。熱中症対策には具体的に何をすればよいのでしょうか。

部屋に温度計を置いて部屋の温度と湿度を確認する

気温だけでなく、湿度が高いことも熱中症の原因となります。部屋に温湿度計を置いて室温は28℃以下、湿度は50~60%に保ちましょう。高齢者は熱さを感じにくくなります。エアコンの風に苦手意識があったり節電の意識が高い高齢者も少なくありませんが「28℃以上になったらエアコンをつける」といったルールを決めたり、風が直接当たらないよう風向きを調節したり室温を適切な温度にすることが大切です。

こまめな水分補給

喉が渇いたなと感じているときすでに脱水症状は始まっています。さらに高齢者口渇感が鈍く、水分不足になりがちです。夏場は「何時間ごとに水を飲む」「入浴前後に水分を摂る」など決めてのどの渇きを感じる前にこまめに水分補給をしましょう。飲み物は水が一番望ましいですが、飲みたがらない場合は本人の好きなものやゼリータイプの経口補水液などもおすすめです。

冷え性の方は要注意!低体温の危険性

雪道を歩いている人

体温調節機能の低下は熱中症だけでなく寒い場合も様々なリスクがあります。中でも高齢者が気を付けたいのが老人性低体温症です。

低体温とは

低体温とは体の中心部の体温が35度以下になることで、高齢者の体温が低くなった状態のことを老人性低体温症といいます。体温が下がると筋肉の硬直、脈拍や呼吸の減少、血圧の低下を引き起こし最悪の場合は死に至ることもあるとても危険な状態です。

一般的には冬山の登山などで起こる低体温症ですが、実は凍死者の80%以上が65歳以上となっており多くが屋内で発生しています。

どうして低体温になるの?

体温調節機能の低下のほかに筋肉量の低下が低体温の原因となります。筋肉は代謝により熱を発生したり寒さに対して断熱材のような役割を果たしています。筋力の低下が原因ということは筋肉の栄養不足も低体温の一因といえます。高齢になると食が細くなり筋肉を増やすための栄養が十分に取れず、筋力がないことで動くことがおっくうになり体温を上げることができないという負の連鎖が起きてしまいます。

低体温を防ぐために

毛布の中で寝る犬

低体温になってしまうと家で様子を見ながら治すということは難しく、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。低体温を防ぐためにも普段から体を冷やさないよう注意しましょう。

衣服で防寒

室内でもしっかり着込んで暖かい空気を逃さないことが大切です。インナーには汗をよく吸収して乾きやすいものを。厚手の靴下やネックウォーマーで熱をキープしましょう。

筋肉をつける

身体の熱量の6割は筋肉が作り出しています。散歩にでかけたり、暖かい室内でできるスクワットなどで下半身を中心に鍛えましょう。少しずつでも問題ありません。無理しない程度に続けることが重要です。

食事をとる

暖かいものを食べて体温を保ちましょう。ショウガやな鍋、ニンニクは体を温めてくれるのでおすすめです。たんぱく質を含む食べ物は体温を上昇させ、筋肉のもとにもなるので朝昼晩摂りたいところです。たんぱく質が多く含まれている食べ物はマグロ、鶏むね肉、納豆、ヨーグルト、たまご、豆腐などです。

正しい体温調節を意識しましょう

温度計

暑い時期や寒い時期だけでなく季節の変わり目の寒暖差も体調を崩す原因となります。高齢者やそのご家族は日頃から食事や活動量に注意し、体の内側から体温を適切に保つことと室温を管理することを心がけましょう。少しの心がけで命の危険を防ぐことができます。

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