知っておきたい高齢者向けの杖の選び方

親が高齢化してきて、そろそろ足元がおぼつかない様子を見せているため杖を使ってもらいたいけれど、どのようなことに気を付けて選べばよいのかいまいちよくわからないと悩んでいる人はいませんか?

この記事では高齢者向けのの役割から選び方まで詳しく解説します。

杖の役割

には介護保険の対象となる福祉用具として分類される「歩行補助杖」と、介護保険の対象とならない杖の2種類があり、加齢による足腰の衰えや麻痺などによって歩行が不安定になった高齢者のサポートをするために使われます。

には次のような役割があります。

身体を支えている支持基底面(身体の中で床面に接している部分の外周の広さ)を広くし歩行を安定させる

  • 体重を杖にかけることで足腰への負担を減らす
  • 杖の先で障害物や段差を把握し転倒を防止する
  • 使う人に歩行への安心感をもたらす
  • 他の人に歩行に支障があることをアピールする

杖の役割をしっかりと理解することで、高齢者に適切なタイミングで杖の使用を勧めることができるでしょう。

杖の種類

杖には介護保険の対象となる「歩行補助杖」と、介護保険の対象とならない杖の2種類があると説明しましたが、それぞれの内容をもう少し詳しく説明します。

介護保険の対象となる「歩行補助杖」

介護保険の対象となる「歩行補助杖」は5種類あるので名称と概要を表にまとめてみました。

 

歩行補助杖の種類

概要

松葉杖

脇にはさむ脇当てとグリップがついている安定性の高い杖

多脚杖

地面と接する先端が3~4点に分かれた安定性の高い杖

ロフストランド・クラッチ

前腕を支えるカフと体重を支えるグリップがある杖

カナディアン・クラッチ

二の腕を支えるカフと体重を支えるグリップがある杖

プラットフォーム・クラッチ

杖の上端に前腕を置くスペースがありその先にグリップがついている杖

介護保険の対象になるということは、要介護認定を受けてケアプランに歩行補助杖のレンタルが必要なことを記載しなければなりません。

そのため歩行補助杖を使用したい場合はケアマネージャーへの相談が必須であることを覚えておきましょう。

▶参考:厚生労働省「福祉用具」

介護保険の対象とならない杖

介護保険の対象とならない杖についても種類と概要を表にまとめてみました。

杖の種類

概要

T字杖(1本杖)

シャフト(棒)にT字型のグリップがついた形の杖

C字杖

グリップがCの字が下を向いている形になっている杖

オフセットL型杖

横向きのグリップから伸びたフレームがL字型になっている杖

介護保険対象外の杖については使用前に要介護認定を受ける必要はありません。

選び方

高齢者が自分に合ったを見つけるためには、どのような選び方をするのが望ましいのでしょうか。

ポイントを3つご紹介します。

自分に合ったサイズの杖を選ぶ

杖のサイズで注目してほしいのが、長さ、太さ、グリップの大きさです。

これら3つのサイズにおいてどんな点に着目して杖を選べばよいのかを表にまとめてみました。

杖のサイズ

注意点

長さ

・望ましい杖の長さの目安=身長÷2+2~3cmのため靴をはいて身長を計り、その数値から長さを決める

太さ

・太いほど丈夫になるが重さも増すので扱いやすさとのバランスを考えて選ぶ

グリップの大きさ

・手の大きさ、握力、手の形にフィットするかどうかを考えて選ぶ

必要な数値を計測するのはもちろんですが、高齢者本人が実際に歩いたり、持ち運んだりして合うサイズかどうかを確かめることが大切です。

自分の身体機能に合った杖を選ぶ

選び方として重要なのが、自分の身体機能に合った杖を選ぶことです。

杖の種類別に、どのような身体機能の人が使用するのに向くのかを表にまとめてみました。

杖の種類

使用に向く人

松葉杖

・足をけがした人

・下半身の麻痺がある人

・股関節症の人

多脚杖

・筋力が低下している人

・姿勢が良くない人

・背骨が曲がっている人

ロフストランド・クラッチ

・握力が弱い人

・アクティブな人

カナディアン・クラッチ

・ロフストランド・クラッチを使用している人よりさらに握力が弱い人

・アクティブな人

プラットフォーム・クラッチ

・強く握る動作やつかむ動作が困難な人

T字杖(1本杖)

・杖なしでも歩けるけれどより安心して歩きたい人

・必要な時だけ杖を使いたい人

C字杖

・歩行リズムを整えたい人

オフセットL型杖

・握力が強い人

使ってみたい杖が自分の身体機能に合っているかどうかわからない場合は自己判断せず、福祉用具専門相談員やケアマネージャーなど専門知識を持つ人の意見を聴くことが大切です。

デザインや材質で選ぶ

高齢者にとっておしゃれを楽しむためのツールでもあります。

このため杖のデザインや材質は、サイズや身体機能が合っていればできるだけ本人の希望をかなえるのも重要なことだと言えるでしょう。

杖の材質はアルミ・カーボン・木製・チタン・プラスチックなどで、デザインは使うシーンに合わせてさまざまなものがあります。

公益財団法人テクノエイド協会のホームページには福祉用具情報システムがあり、杖についての最新情報と問い合わせ先を検索することができます。

このようなシステムも利用して情報収集し、高齢者が心地よく使える1本を探すことが大切です。

▶参考:公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具情報システム(TAIS)」

自分に合った杖で歩行を楽しく

二人の後ろ姿

高齢者が自分に合った杖を選ぶポイントは次の3つです。

  • 自分に合ったサイズの杖を選ぶ
  • 自分の身体機能に合ったを選ぶ
  • デザインや材質で選ぶ

この記事も参考にして、ぜひ適切な選び方で素敵な杖を見つけてみてください。