子供の集団生活が始まると、保護者が見ていない場面で子供同士の喧嘩も増えていきます。
子供が喧嘩している様子だと保護者は仲裁に入ろうとしたり、解決を促したりしたくなり、つい口を出してしまう場面があると思います。
しかし内心は「子供同士の喧嘩に口出ししていいのかな?」と、考えてしまうことってありませんか?
実は子供同士の喧嘩は成長過程で大切な要素が沢山あるのです。
この記事では、子供同士の喧嘩に対して保護者の関わり方や、保護者の対応の仕方を詳しく解説していきます。
目次
基本的に保護者は見守ることが大切
子供同士の喧嘩は、基本的に保護者は「見守る」ことが大切です。
見守ることが大切な理由には、以下のようなことがあります。
- 余計にこじれさせてしまう
- 喧嘩から学ぶこともある
保護者がすぐに口を出すことで、子供から学びを取り上げてしまう可能性があるため、子供同士の喧嘩に対しての基本姿勢は「見守る」ことになります。
喧嘩から学ぶことも多い
子供は喧嘩から学ぶことも多いと言われるくらい、子供同士の喧嘩は成長のチャンスでもあります。
子供たちは喧嘩から、
- 人間関係の築き方
- 感情のコントロールの仕方
- 痛みを理解する
- 感情の変化を感じる
というように、喧嘩を通して学ぶことが多いのです。
喧嘩というと悪いイメージもあり、すぐに止めさせなきゃ・解決しなきゃと考えてしまいがちですが、子供の喧嘩は成長の種という思いを持っていると、保護者の気持ちも楽になるはずです。
保護者が関わるべき喧嘩とは?
ここまでの見出しでも紹介したように、子供にとって喧嘩をすることは、成長に重要な役割を持つもので基本的に保護者は子供同士の喧嘩には見守る体制でいることが大切です。
しかし、状況によっては保護者も子供の喧嘩に関わっていくべきです。
この見出しではどういう状況の喧嘩に保護者が関わっていくべきか紹介します。
未就学児の場合
学校生活が始まる前の年齢だと、まだ心も未熟で良い・悪いを区別をすることが苦手です。
幼稚園や保育園に入っていて集団生活がスタートしている場合は、園でのルールや他者との関わりを通して集団生活を身に付けていく段階にあり、園での喧嘩は先生に任せることもいいでしょう。
集団生活が始まっていない未就園児の場合は、保護者が良い・悪いという関わり方を教えていく必要があります。
怪我をしたとき
怪我をしたとしても、かすり傷程度で本人も相手も気にしていない様子なら、どうして怪我をした(させた)のかを聞く程度でもいいでしょう。
しかし、相手に怪我をさせた場合、「怪我をしてもその程度ならうちは放っておく」という独自ルールは基本的に通用しません。
怪我の度合いが大きかったり、本人や相手が気にしていたりする様子があれば、保護者は
- なんで怪我をしたのか
- なぜ怪我をさせる状況になったのか
- 相手の様子
などを確認して、学校にも連絡が必要です。
いじめと判断されたとき
いじめと喧嘩の境界線は、
- 喧嘩相手が複数いる
- 「嫌だ」と言っても続く
- 関係が平等ではない
- 物を盗られたまま返してもらえていない
というような状況がいじめと喧嘩の境界線になると判断します。
もちろん、その時々で状況が変わるため、いじめと喧嘩の境界線と感じる部分は、保護者と子供の信頼関係も大切です。
ここまでくるといじめだろう、と保護者が感じた場面では、子供は大人に話そうとせず隠すこともあります。
「それはいじめだよ」と最初から聞くのではなく、子供とゆっくり向き合って「最近うまくいってないの?」と穏やかな雰囲気で聞いてみましょう。
いじめに発展しそう、いじめと判断出来る、と感じた場合には保護者も早めの対処が必要です。
子供同士の喧嘩への保護者の対応は?
子供の喧嘩に保護者が関わる場合、どのように関わっていくかポイントを押さえていきましょう。
喧嘩になった原因を聞く
まずは見守る姿勢でいることが大切ですが、解決しない場合や危険を感じるときは、「どうしたの?」と喧嘩した原因から聞いてみましょう。
このとき、喧嘩が始まってすぐに保護者が介入するのではなく、あくまでも見守る体制から、喧嘩になった原因を聞く程度にしておきます。
注意したいのは、原因を聞くときにどちらかに偏った聞き方をするのではなく、お互いの言い分を平等に聞けるといいです。
子供の感情に共感する
喧嘩になった理由を聞くと、
- 悲しかった
- イライラした
- 悔しかった
といった様々な感情があることを感じられるはずです
こうした吐出した感情に、まずは「貸してくれなくて悲しかったんだね」というように、感情に共感をしましょう。
喧嘩になる原因のひとつに、子供はまだ感情のコントロールが出来ないことが理由としてあります。
感情のコントロールはもちろん、自分が抱いた感情や気持ちに気づいていないこともあります。
大人が感情に気づきを与えることで、「悔しかったからなんだ」「寂しかったんだ」と子供が感情を理解するきっかけにもなります。
また、身近な大人が共感してくれることで、自己肯定感や自尊心が守られることもあります。
一緒に考える
最後にどうしたらよかったのか、子供と一緒に考えましょう。
保護者が結論を出すのではなく、子供がどうしたらいいのか自分で考えられるように、保護者は誘導していきます。
- 自分から謝る
- そうなる前に貸してあげればよかった
- イヤっていえばよかった
など、子供たちなりの言葉で結論が出せるように、最後まで見守りましょう。
まとめ
子供にとって喧嘩をすることも大事な経験で、喧嘩から学ぶことも沢山あるということが理解できたかと思います。
子供の様子が気になってしまい、ついすぐに口を出してしまう保護者もいるかもしれませんが、まずは見守りましょう。
子供自身で解決しようとする力、喧嘩を通して子供が学ぶこと、相手の気持ちを考えることなど、子供の成長にも繋がる体験になります。
ぜひこの記事を読んで、子供同士の喧嘩にどう対応すべきなのか、考えるきっかけになれば幸いです。