親が老人ホームに入所し実家に残った仏壇…どうすればいいの?

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親が老人ホームに入所して実家が空き家になると、置いてある仏壇をどうすればいいのかわからないですよね。大切なものだとわかっているけど、そのままにしておくこともできない……

そんな人のために、今回は実家に残った仏壇をどうするかについてご紹介します。

仏壇とは

まずは仏壇にはどんな意味が込められているのか、どんな種類があるのかをここで説明します。

仏様を祀る台のこと

仏壇とは仏様を祀るために置く台のことです。
お寺にあるお仏壇をコンパクトに箱型にしたものなので「家のなかにある小さなお寺」のようなイメージを持つといいかもしれません。

仏壇には「ご先祖のためのお家」という、もう1つの意味も含まれています。日本には昔から「霊棚」と呼ばれる棚で、ご先祖の霊を祀る習慣がありました。その後仏教が伝わり、徐々にご先祖だけでなく仏様の両方を祀るようになりました。

仏壇には複数の種類がある

仏壇にはいくつかの種類があり、おもに以下の3つのタイプに分けられます。

  • 伝統的なタイプ
  • モダンなタイプ
  • 現代的なタイプ

ここではそれぞれのタイプについて説明します。

伝統的なタイプの仏壇

伝統的なタイプの仏壇には「金仏壇」と「唐木仏壇」の2つが代表的です。金仏壇は、金箔や金粉で豪華に装飾された黒の漆塗りの仏壇を指します。その名前と見た目通り、気品を漂わせるような雰囲気があり、細部までこだわりのある仏壇が多いです。

もう1つの唐木仏壇は、木の素材を中心としたシンプルな仏壇を指します。おもな材質である黒壇や紫壇を活かした作りになっているので、あたたかみがあり日本特有の「和」を連想させやすいです。

モダンなタイプの仏壇

モダンなタイプの仏壇は伝統的なものと比べて、現代に馴染んだ見た目をしています。そのため「家具調型」や「都市型」などと呼ぶこともあります。家具のように室内に置いても違和感がないため、宗教感が少ないです。サイズもコンパクトなので、設置する場所にあまり困りません。インテリア性が高く、さまざまなサイズが販売されている点から、モダンタイプの仏壇は人気を集めています。

その他のタイプの仏壇

その他にもさまざまなタイプの仏壇があります。モダンタイプよりコンパクトなサイズの仏壇もあり、本来の役割にとらわれない使い方をされることも珍しくありません。宗教を信仰していない人が両親を祀るために使用される場合もあります。時代の経過とともに、仏壇の意味も少しずつ変化しているといえるでしょう。

実家が空き家になったら仏壇はどうする?

床がはがされた空き家の部屋

親が老人ホームに入所して実家が空き家になったら、仏壇のあつかいに困る人は多いと思います。ここでは使用しなくなった仏壇を今後どうするのかについて説明します。

菩提寺に引き取ってもらう

なじみのある寺院があれば、そちらに相談して引き取ってもらう方法がおすすめです。住職と交流があるのなら、安心してお願いができるでしょう。引き取ったあとの仏壇は、基本的にお焚き上げをして処理を行います。

引き取りの際にお布施(費用)がかかりますが、依頼者が任意で決めるものなので明確な金額は決まっていません。仏壇のサイズにもよりますが、5万円前後を目安としたほうがいいでしょう。金額に迷った場合は、事前に相談しておくことをおすすめします。

仏壇・仏具店に引き取ってもらう

仏壇・仏具店でも引き取りが可能です。菩提寺と同じく料金がかかりますが、こちらは事前に金額が決まっています。目安として1〜3万円ほどと考えておいたほうがいいでしょう。
引き取り後の仏壇は、合同供養としてお焚き上げを行うことが多いです。菩提寺が遠い、あるいは費用をおさえたい人は仏壇・仏具店で相談してすることをおすすめします。

専門業者に引き取ってもらう

仏壇を引き取っている専門の業者もあります。依頼をするとスタッフが訪れて仏壇を運んでくれるので、時間と手間がかかりません。菩提寺や仏具店が近くにないときは、専門業者に頼むのもおすすめです。

また引越し業者や不用品の回収業者も、仏壇を引き取ってくれるケースもあります。どちらかを利用する予定のある人は、試しに相談してみましょう。

自治体で処理してもらう

自治体に依頼して、廃棄物として処理する方法もあります。自治体によって分類が異なりますが、家具と同じように粗大ゴミとしてあつかう場合が多いです。粗大ゴミとして処理すれば数千円で済むので、他に紹介した方法と比べると一番安い方法です。

しかしゴミとして出すことになるため、仏壇やご先祖に対しての思い入れが強い人は躊躇するでしょう。じっくり家族と相談したうえで、自治体で処理するかどうかを決めましょう。

仏壇を処理する前にやるべきこと

仏陀の引き取り先が決まったら終わりではなく、事前に行うべき点がいくつかありますここでは仏壇を処理する前にやるべきことを説明します。

兄弟や親戚とのコミュニケーションが大切です。お仏壇や位牌は、家族や親しい人々にとって、亡くなった大切な人を思い出す場所です。

実家のお仏壇や位牌、それをどう処分するかは重要な問題です。まず、兄弟や親戚に相談してみましょう。自分だけでなく、みんなで納得のいく形で進めることが大切です。家族や親戚との意見交換が大事になります。

家族や親せきに説明する

実家が空き家になった場合、お仏壇をただ放置するわけにはいきません。家族や親戚に、空き家の問題や法律のことを分かりやすく説明してみましょう。自分の実家が空き家になると、ちょっとしたトラブルが起こる可能性もあります。

そして、放置することで2015年から施行された「空家等対策の推進に関する特別処置法」に違反することもあります。だからこそ、家の状態や危険性などをしっかり認識し、兄弟や親戚と協力して解決することが大切です。

実家の片付けは、危険な状態になったり、景観を損ねたりする前に行う必要があります。使っていないものや不用品、家具なども、適切な方法で手放すことが大切です。お仏壇や位牌も、使われていない状態でずっと放置するのは難しいですね。家族と協力して、大切なものを大切な形で続けることが大事です。

閉眼供養をする

仏壇を購入したときに、魂を入れる「開眼供養」を行います。そして仏壇としての役割を終えたら、魂を抜きとる「閉眼供養」を行う必要があります。そのため閉眼供養は仏壇を処理する前に行いましょう。菩提寺に頼むことが多いですが、引き取り先で閉眼供養を行ってくれる業者もあるので、依頼先に確認してみましょう。

収納をチェックする

仏壇の収納できる場所が空になっているか確認しましょう。なかに重要な書類やお金が入っている可能性もあるので、回収し忘れると問題につながる危険性があります。仏壇の管理をしていない人は、なにが入っているのか把握をしていないので、引き出しをすみずみまで探すようにしましょう。

宗教や宗派を確認する

宗教や宗派ごとのしきたりを確認するのも大切なことです。特にお仏壇の処分方法や閉眼供養のやり方は、宗派によって異なります。自分の実家の宗派を知っておくと、スムーズに進められるでしょう。

宗派によっては位牌の扱いが異なることもあります。たとえば浄土真宗では、位牌に故人の魂が宿る考え方が一般的ではありません。だからこそ、位牌を作らないことが多く、基本的には魂抜きの儀式は行いません。こうした宗教の違いを知ることで、家族や親戚との意見が一致しやすくなります。

状況にあった引き取り先を選んで仏壇の処理をしよう

仏教だけでなく神道やキリスト教など、宗教によっては空き家に残されたご先祖様にまつわる物事がさまざまです。宗教や信仰に対する理解が深まることで、家族や親戚とのコミュニケーションも豊かになりそうですね。何か悩みごとがあれば、宗教のルールやしきたりを確認し合うことが大切です。

さまざまな意味が込められた仏壇には、複数の引き取り先があることがわかりました。人によっておすすめの引き取り先は変わるので、現在の状況にあわせた方法で処理をしましょう。また仏壇を処理する前に閉眼供養や、引き出しのチェックを忘れないように注意してください。

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